「上の意見が強い」企業風土を改革!現場のコミュニケーションが変化していく4年間の歩み:ジオマテック株式会社 代表取締役社長兼CEO 松﨑 建太郎さん
依頼時のニーズと変化:
- 依頼当初はコミュニケーションやリーダーシップの問題意識をぼんやりと持っていた。
- 1年目の研修を終えて、受講生の意識の変化と彼らの目の輝き、ぜひ続けてほしいという多数の受講者からの意見、企業として教育体系を構築していく必要性、この3点から継続を決意した。
- 2年目を終えて、製造の現場を中心に「上の意見が強い」という企業風土の変革の必要性を確信。対象者を次期課長から現時点での部長クラスに変更し、改革を進める。
- 現場でのコミュニケーションが円滑になり、多様な意見が出てくるようになった。企業風土も確実に変化してきている。5年目は新たなステージに向けて研修をスタートしている。
創業68年を迎える薄膜技術専門メーカーのジオマテック株式会社様にて、ブリエの「リーダー育成研修」を実施させていただき5年目に入ります。継続いただく中でのニーズの変化に合わせて研修を共に作り上げながら、個人そして組織の変革を進めてきました。
これまでの振り返りを、代表取締役の松﨑社長にインタビューをさせていただきました。
社員の輝き出した目を見て「この輝きを絶やしてはならない」と思った
―ご縁をいただいた当初、どのような問題意識・課題意識をお持ちでしたか
当初は、明確にコミュニケーションやリーダーシップを何とかしなくてはいけないという強い問題意識はなく、ぼんやり程度でした。他企業への表敬訪問の中で、オフィスブリエさんの研修が非常に良い社内の雰囲気を作っているという社長からのお話があり、ご紹介をいただきました。
なぜ、ぼんやりした問題意識を持っていたかというと、当時の役員・部門長の方々に対して、自分の言いたいことが伝わりきれてないなと感じたり、なぜ理解してくれないのだろうという思いが私にあったところがきっかけだったと思います。
―松﨑社長が社内でのコミュニケーションに違和感を覚えていらっしゃったところから、1年目がスタートしたのですね
はい。初めての試みでしたので、まずは中間層のホープ・次期課長を対象に研修を実施しました。研修の初回と中間報告そして締めの1年後のプレゼンを見させていただき、参加者の意識の変化というのがものすごい見えたんですね。もちろん個人差はありますが、非常に彼らの目が生き生きとしていました。
継続の1番の理由は「これは是非続けてほしい」という声が受講生から多く出たことです。弊社としても教育制度を強化していきたいと思っておりましたので、その柱になったらという希望でこうやって続けさせて頂いておりますし、これからもそうしたいと考えております。
―ありがとうございます。研修を実施してみて、どのような変化がありましたか?
各職務におけるキーマンの方がセルフマネジメントやコミュニケーションを学ぶことによって、以前は常にストレスフルでイライラしがちな人もいましたが、その方が研修を通して自分自身を見つめ直したことで劇的に変化したんですね。コミュニケーションが非常に円滑になって、結果、今まであの人は怒りっぽい人だったから言いたくない・言わなかった、という話が逆に出てくるようになってきました。
コミュニケーションが円滑になるということは、情報共有が非常にタイムリーに素早くなります。そうすれば結果的に、いろんな意味で生産性も上がってきますし、新たな気づきも生まれ、それによって創造的な仕事に繋がります。コミュニケーションはやはりとても重要だな、と実感しました。
―その後もご継続いただいてきた中で、当初お持ちだった問題意識・課題意識から変化はありましたか?
継続していく中で、これは続けていかなければならない取り組みだと思ったところもあるのですが、1期生も2期生も目が輝きだすんですよ。この輝きを絶やしてはならない、と強く思いました。
その背景には、製造の現場を中心に上の意見が強すぎる雰囲気があり、これが問題だと確信に変わってきたことがありました。そして、この目の輝きが改革の良いきっかけになるのではないかなと。
さらに、2期目が終わった頃から業績が悪くなり始めたため、経営戦略も舵を切る必要がありました。その中で上の意見が強すぎるという企業風土は、現場のストレスや抑圧がより一層強くなるのではないか、と大きな不安に繋がりました。この時、問題意識が明確になりましたね。
悔しい思いをバネにし、企業風土の改革を大きく前進させる
―3年目からは対象を部長クラスにし、企業風土の改革を目指して研修を行いました。
はい、3年目から「チェンジリーダーシッププロジェクト(以下CLP)」と社内で名付けて新たな気持ちで研修をスタートしました。ですが、1回目のCLPは厳しい結果に終わったところがあります。会社の業績が1番悪く、早期退職制度も行い、人事を刷新した背景がありましたが、CLPの厳しい結果は、何が良くなかったのか・どうしなければならないかを考える上で非常に良かったと今思っています。メンバーもひとりひとり感じた悔しさと新たな思いをバネにして、翌年2回目のCLPでは「自分達自身でどうしていくのか・どうするべきか」をものすごく議論しました。五カ年計画マスタープランを作成し、具体的にどういった取り組み、心構え、継続性を持って取り組むかということを明確にしました。結果、1回目の悔しい経験を経て、覚悟をきちっと持って2回目に取り組めたことは非常に良かったです。それを根気強く支援いただいたブリエさんの存在が大きかったと思っています。
―ありがとうございます。ブリエの研修は人と組織にどのようなインパクトをもたらす研修だと思いますか?
私は、企業というのは自分達の保有技術や価値観に基づいて、自分達のできることを世の中に提供し、社会貢献や自社の成長に繋げていくと思っています。ずっと成長し続けながら・貢献しながら・利益を出しながらを実現するために、新しい戦略や戦術が出てくるんですけれども、基本的にはその時代にあった「正しいこと」をすることが大切ではないかなと。
「正しいこと」というのは、チャレンジすべきことはチャレンジする、悪いことが起きても隠さずに言う、とかですね。そういったことも全部ひっくるめた「正しい行い」というのは、ものすごい奇をてらう妙な技を使うことではなく、意外とオーソドックスなことだと思うのです。
人と組織というのは、概ねちょっと変わり者の方は除いて、基本的にみんなが正しいと思うことを実行すれば、そんなに大コケすることはないと思います。ただそれが時間や人や費用の問題で全てはできない。その現実を前にいろいろ歪んでいって、それでも対処しなきゃいけない時にやはり重要なのは、愚痴の思考ではなく「頑張ろう・良い方に持っていこう」と思い考え続けられるかです。そのために自分の感情をコントロールし、周りに良い影響を与える行動を学べること、そのオーソドックスな「正しい行い」を根気強くやり続けるメンバーができること、それがブリエさんの研修で得られることだと思います。
―最後に、ブリエの研修はどのような企業様に向いていると感じますか?
日本の企業には、上意下達が強いところはまだまだ多いので、そういった企業にはお勧めしたいです。その中でも、教育機関に入っていってほしいなと思います。今、6年生と4年生の子どもがいるんですけれども、社会に出る前にぜひ学んでほしいなと。
少し脱線しましたが、ブリエさんの研修はどの会社でも通じるものだと思います。