対話型研修 成果レポート

株式会社PAL
管理部リーダー 北窓さま・佐藤さま・荒巻さま・有働さま・市坪さま




〜それぞれの仕事〜


まずはみなさんのお仕事についてお伺いしてもよろしいでしょうか。


佐藤さん:うちは物流倉庫の総合的なオペレーションを提案する会社なんですが、私はロボットを使った経営専門の営業部隊でメーカーさんを中心にソリューション提案をしています。労働人口の減少が騒がれている中で、作業をロボットや機械に置き換えたいというお客様が増えていて1、2年前から事業としてご提案しています。

荒巻さん:私は管理本部の労務部と運営本部のHRソリューションを兼任しています。労務部では現場スタッフからの問い合わせ対応や給料・請求に関わる処理業務を、HRソリューションでは全国の各拠点スタッフの勤怠管理を担当しています。

北窓さんも人事と総務を兼任されているとお伺いしました。具体的にはどんなお仕事をされているんでしょうか?

北窓さん:人事でいまメインにやっているのは新規採用で、全国的にいろんな職種を一括で担当しています。総務の方でいうと効率化や改善の方向性をプランニングして、いかに形となる成果を立てていくかといったベースづくりをしています。

仕組みづくりをする総務。

北窓さん:そうですね。総務ってバックオフィスというイメージが強いかもしれませんが、「後の仕事」にしてしまうと言われ仕事になってしまう。生産性や効率性を考えずに言われたことをやる、というような。私はそうではなく、一歩前からあるべき姿に導くことで無駄を省き、みんながもっと現場作業に時間を使えるようにしたいんです。
上期の仕事で具体的にいうと、備品の発注先を一元化しました。さらにうち専用の分かりやすい発注サイトを作ることで発注にかける時間とコストを削減することができました。

すごくアクティブな総務ですね!素晴らしいです。
有働さんはどのようなお仕事をされていますか?

有働さん:荒巻と同じ労務部で仕事をしています。特技は楽しむこととか、人を笑わせることです(笑)。
労務は人に関わるところ、クレームもありますし日々いいことばかりではないんですね。だからいかにテンション高くポジティブにやっていくかが大切で、まさにそこを担っているのが私です!

なるほど。研修でどんなストレングスファインダー(資質)があると出たのか、伺うのが楽しみです。



〜研修前の課題〜

約1年をかけた長い研修ですが、
スタート前はこの研修についてどのような印象をもたれていましたか?

北窓さん:みんな「何が始まるんだろう?」みたいな感じでした。うちでは研修自体が珍しいですし、ましてやビジネス研修とも全然違うもの、リーダー職のメンバーだけが受けるという意味でもレアです。私はコーチングの知識もなかったので「どういうものになっていくんだろう?」って感じでした。みんなはどう?

佐藤さん:「コーチング」という言葉自体は本などで知っていたので、それを1年も時間をかけて研修させてもらえるっていうのは、私は楽しみでした。

市坪さん:私もコーチングについては調べていましたが、研修のイメージはできなかったですね。毎回半日を使ってどう進むのかというイメージが分からなかった。自分のストレングスを知ったのも初めてです。

研修では自分の5つのストレングス(資質)が明らかになりましたよね。
みなさんのストレングスはどんなものでしたか?

佐藤さん:私は、回復思考、ポジティブ、成長促進、アレンジ、共感性です。

北窓さん:私は1位が着想、最上志向、収集心、戦略性、自我でした。

人を笑わせることが得意な有働さんは?

有働さん:私は見ての通り1位がポジティブです!(笑)。あとは包含、社交性、調和性、適応性です。

なるほど!みんなそれぞれ個性が違いますね。動物園みたいでユニークです。

北窓さん:運動部みたい、っていわれますね(笑)

北窓さんの収集心と戦略性はすごく業務に生かされている気がしますね。
あれもこれも頼まれる総務の仕事をカテゴライズして効率化やコスト削減を図るところは収集と戦略がうまく使われている感じがします!

北窓さん:そうなっていればうれしいです。

研修がスタートする以前に、仕事をする上で何か問題意識などは感じていましたか?

市坪さん:コミュニケーション不足なところはありました。特に同じ部署内だと分かっているような気になっていて。それが研修を通して話を聞くようになったし、チームとしてどういう成果をあげたらいいかを話す機会が増えたので、随分お互いの共通認識をもてるようになりました。

なるほど。北窓さんはどうですか?

北窓さん:うちの会社ってすごく自由なカルチャーなんです。普通、上下関係がないという会社でもなんとなく先輩を先に通すとか、先輩より先に来て準備しておく、みたいな空気があると思うんですが、そこがゆるくなっているなみたいなところはありましたね。自由は掛け違えるとどこまでもルーズになる。外では非常識なことが社内では温存されてしまうために、自分たちのルーズさに気づかなくなってしまっているようなところはありました。



〜研修のはじまり〜

実際、スタートしてみてどうでしたか?

佐藤さん:やってみるとやっぱり遅れてくる人、宿題ができてない人もいて。悪いところが露呈した感じです。ただそれを木村コーチはズバっと指摘してくださって…「ちゃんとしなきゃ」と思った回でしたね。

北窓さん:私は管理者側として木村コーチと蜜にやりとりさせていただいたんですが、最初、うちのメンバーはあまり素直じゃなかったんです。そうすると私たちが期待していたコーチングの反響がなくって。本当にやったほうがいいのか木村コーチと議論したくらいです。
でもこれって、会社が私たちのために投資してくれたものなんだよな、それなのに何も結果が出せないのはダメだな、と思ったんです。それで、少しでも私のアクションで改善したらと思ってやっているうちに自分自身、驚くほど素直になれました。人間ってそう簡単には変われない。でも変われないと無駄になるぞ、と思えた瞬間があったように思います。

なるほど、自分が働きかけることで機能するようにしたいという思いが自らを変えたわけですね。

北窓さん:私、うちの社員をどこに出しても恥ずかしくない人間にしたい、人としてのレベル感をあげたいという思いがずっとベースにあって、そこを木村コーチにお伝えしていたんです。そうしたら木村コーチは他社に比べてできてないという事実をリアルに伝えてくださったんです。実際に私もいっぱいお叱りを受けて、恥ずかしい思いもたくさんしました。

ほかのみなさんはどうですか?小さな変化がみられはじめたのはいつ頃からでしょうか?

荒巻さん:傾聴はみんなすぐにするようになったよね。

有働さん:そうだね。研修は月1回なんですが、次の研修までに最低3回はメンバーとコーチングの練習をしておいてねといった宿題があって、オフィスの会議室はみごとにコーチングで埋まっていきました(笑)。
その風景を見ているだけで前回学んだことを思い出したり、それこそ「傾聴、傾聴。意味付け、意味付け。」って習った言葉を頻繁に口に出すようになった。みんなで学んでいるからいろんなところから刺激が入ってくるんですよね。

〜研修を重ねて〜

そこからさらに、みなさん大きな変化を感じていくわけですよね。何か、目からうろこが落ちるような気づきとか、具体的に大きく変わったことはありましたか?

有働さん:私はもともと、自分の意見を強要するようなところがあったんです。自分と違っていたら「あなた間違ってるんじゃない?」っていう考え方だったんです。でもストレングス・ファインダーを受けてみて、「実は私がみんなの強みを眠らせてしまっていたんじゃないか」と気づいたんです。そういうマネジメントをしてしまっていたという反省がすごかったです。今は若干でも相手のことを考えて強みを最大限に引きだそうと意識できるようになりました。私がいちばん変わったなと思うところはそこですね。

それに気づくまでメンバーへの認識はどんな感じだったんですか?

有働さん:言い方は悪いですが“自分の分身”みたいなものを求めていたような気がします。自分の経験を当てはめて、自分が上から受けた辛い経験を下にも経験させてしまっていた。できなかったら「なんでできないの?」って思ってしまう。でもそうじゃないんですよね。
だから今はまず、みんなの強みをインプットしています。そうすると不思議とそれが生かせるタイミングが出てくるんです。あとは最後まで話を聞く。考えさせること、自分で判断させること。その環境をつくるのが自分の役目だと思っています。

なるほど。潜在的にはその人自身に何か考えられることがある、それをコミュニケーションによって引き出せる。その2つの可能性ですよね。荒巻さんはいかがですか?

荒巻さん:私のストレングスは調和性、慎重さ、回復思考、公平性、適応性で、木村コーチとの1対1の対話でもベースがマイナス思考、慎重さと回復思考が強いっていうことを言われたんです。でも私、自分としてはマイナス思考だと思ってなかったんです。ただ、答えを出すにあたっていつも“have to”を求めていたんですよね。ここの正解が何なんだろうって思って。
コーチングによって学べたのは“want to”を常に意識するようにする、自分がどうしたいかを考えるようにすることで変わってくる、ということでした。焦点がすごく変わりました。

なるほど!方法は山ほどあるけど自分がしたい方法は絞られる。指針が見えてくるようになったわけですね。ネガティブが出るというのは自分の根っこの部分にこうありたい、こうしたいっていう何かしらの“want”が存在するということですよね。そこが繋がってきたわけですね。それは大きな変化ですね。佐藤さんはいかがですか?

佐藤さん:うちの目標として「考える組織にする」っていうのがあったんですが、私は部下に考えなくさせてしまっていたんです。いつも自分の中に答えをもっていて質問されたらその答えを渡すような。結果、「分からなくなったら聞けばいいや」みたいになっていたように思います。課題解決がマネジメントの役目だと思っていたんですね。でもそうじゃないんだって。そこは目からうろこでした。部下に考えない習慣をつけてしまったことをすごく後悔しました。

今はどういうものと認識していますか?

佐藤さん:私がもっている解決策が必ずしも正しいわけじゃない。実務を担っているのは彼・彼女たちであって、そこから出す解決策の方が本当は正しいんじゃないかと。だから今はみんながもっているものをいかに引き出すか、というのを考えます。

木村コーチはそういった答えをどうやって引き出してくださるんでしょうか?

荒巻さん:コーチはいつも私たちの考えを聞くと「ほかにはどう思う?まだないかな?」って聞くんです。答えを出しても出しても「まだないかな?」って。そうするとさらに深く考えて、自分の中では答えを出したつもりでいたけど「そこまで考えてなかったな」というところまでいくんです。

なかった思考を引き出しているうちに、自分はこういうことを考えていたんだなということが発見できるわけですね。市坪さんはどうですか?

市坪さん:私のストレングスは達成欲、調和性、共感性、収集心、慎重さなんですが、最初はその内容を見てショックを受けたんです。そこから脱したいという思いでやってきたものがストレングスで、逆にこうなりたいと思っていた資質が低かったので。でも木村コーチとの1対1の対話で、もっていない資質を求めようとしすぎたらだめだということ、いちばん取り組むべきは自分の強みを何と掛け合わせていかに強くするかということ、ないものはチームで補い自分は自分を生かすことを考えようという答えに至って…自分の中にすっと入ってきました。

市坪さんはどうやってその答えに至ったのですか?

市坪さん:「なんで?どうして?」って深掘りしたんです。直接言ってもらったわけじゃなくって。
例えばコーチに「こういう資質を求めていたけどないから日々悩みがあります。悩むから相手にもうまく使えないんです」っていう相談をするとコーチは「どんなシーンでそういうことがあったの?」「その相手のストレングスは?」「その人たちのストレングスとあなたの強みを生かしたらどうなると思う?」っていう問いかけをしてくださって。自分の言葉で導きだしたような感じになりました。それがコーチングの手法というか、相手に言ってもらうんじゃなくて自分で答えを出していく。

なるほど。自分の中にある言葉を根気強く引き出してくれるというのが木村コーチのやり方なんですね。北窓さんはどんな変化がありましたか?

北窓さん:ものの見方が変わりました。特に「ダイバーシティ」ということの理解が深まりました。それまでは男女の違いとか結婚してるしてないとか、子供がいるいないとかいった環境面のことだと思っていて、そういういろんな環境の人が集まっている状態が組織を強くするダイバーシティだと思っていたんですよね。それがストレングス・ファインダーを受けてみて、違う強みの人が集まって組織が強くなるっていうのがすごく腹落ちしました。
人と人とのコミュニケーションって、お互いの素養を近づけあいながら生まれるケミストリーで何かを創っていこうというのがベストだと思っていて、それは補完性だと思うんです。お互いもっていないものを寄せ合う。
誰かと知り合ったとき「この人に私のメリットってどう提供できるかな?」と考えるようになるといろいろ紹介してもらえたり人を繋いでもらえたりするんですよね。強みだけではなくて弱みも見せるようになったこの1年で人との繋がりが増えたように思います。なんとなくスタンスが自分の中で変わったかなと思いますね。

それは素敵ですね。ダイバーシティの考え方の根本だと思います。すべての人と人の間にダイバーシティがある。優劣でもない。ダイバーシティっていうものの捉え方が変わって人との繋がりが増える。補完し合うことを大事にする。そうすると弱みも見せていける。
自分がそうなれば人の弱みに対しても何かできないかな、と考えるようになるでしょうしね。



〜研修を振り返って〜

約1年間の研修を振り返ってみて、改めて受けてよかったと思えることはありますか?

佐藤さん:仕事面だけでなく生活の仕方も変わりました。自分の表情とか仕事の仕方によって相手も変わるから、ネガティブでもだめ、浮き沈みが激しくてもだめ。それをどうやったらキープできるの?と考えたときに、セルフマネジメントしなくてはと思ったんです。それまでがむしゃらに仕事していたのを18時に上がって自分のケアをして次の仕事に生かすとか、休みの過ごし方を仕事に生かすとか。必要なタイミングで受けるべき刺激を受けられた感じがします。年齢的にも適齢期というか(笑)。そういうタイミングで受けられたことですごく変われました。

いろんなことを引き出してくれるコーチングで、自分を大事にするっていうことまで引き出されたんですね。

有働さん:私、今思えば自分の性格さえも自分自身で地下室に閉じ込めていた部分があったように思います。もっと自分が柔らかい気持ちになれば相手も同じ気持ちで仕事ができるんじゃないか、そういう考えを木村コーチに引き出してもらったような気がします。

北窓さん:本当にそう!私、ここに至るまでに結構つらい時期もあって…コーチングって自分のダメなところに向き合わなきゃいけないものだから楽しめたかというと実は最初の方は辛かったんですよ。こんなにできてないんだということに気づかなきゃならない。自分のコミュニケーションをみんながどう受け取っているかというのもリアルに出ます。すごいボディブローを受けました。
でも、そこでいかに素直になれるか。ちゃんと受け止められるか。素直になれた人は伸びるんです。ここのメンバーはスポンジのように吸収したメンバーで、だからこう変わった!と言えるんだと思います。

荒巻さん:私は意識改革ができたこと。自分の人生において最大の改革といってもいいくらいだと思います。ものの見方がすごく変わりました。

佐藤さん:そうだね。私も自分自身が本当に変われたので、この能力を生かせるようになったらこれを誰かに引き継ぎたい、という気持ちです。

なるほど、変化を感じて、これだけ学んだ自分なら誰か悩んでいる人や困っている人がよりよくなれるような何かを提供できるんじゃないか、そんな存在になれるんじゃないかと思うようになったということですね。自分だけというとこから、自分がポジティブな影響を誰かに与えられるんじゃないかというところにまで至った。それが積極性のある関わり方になっていくんでしょうね。

佐藤さん:そうですね。そのためにどれだけこの能力を減らさず上げていけるか。今は意識してやっていることを無意識でもできるくらい習慣化できるか、というのが課題ですね。

北窓さん:もうひとつ、改めて強みを知ってよかったなと思うのが、これからの20年30年でどうキャリアを作っていくか、ライフプランにどう強みを生かしていこうかと考えるきっかけになったことですね。個ってひとりひとり全然違う、私の強みは私にしかないっていうことをどう消化していくかを考えるきっかけになりました。

素直になって自分と向き合うことで正しく自分を知って、それによって今後のキャリアプランを描くスタート地点になった。すごいですね。
リーダーとしてこのプロジェクトを進められてきてどうでしたか?北窓さんの「どこに出しても恥ずかしくない人材を育てたい」という使命感の部分にこの研修はどう影響あるものでしたか?

北窓さん:常識レベルとか人として社会人として魅力的に見えるというのはやっぱり基本ができてこそだと思うんですが、そこができているかどうかは第三者の木村コーチだからこそ見えるもの。仕事で関わる他社は指摘してくれるものではないので、それを厳しく優しく教えてもらえたのはとても意味のあったものだと思います。

有働さん:ほんと、影響力ってすごい。木村コーチの影響を受けて、とか、この影響を受けてもらいたいから自ら動く、みたいなのがみんなの中に生まれた。影響を受けて影響したいと思った変化の積み重ねの結果だと思う。

佐藤さん:そうだね。ひとりが時間通りにいって、私もやる、みたいになって。積み重ねがお互いにあって。

それこそチームビルディングの本質のような感じがしますね。小さな心の情熱とか変化をコツコツ積み上げていった結果ですね。変化をすぐに求めても起こらないけど、小さな気持ちとかポジティブな思いをかけ続けることによってあるときパッと変わる、みたいなことを身をもって体験された。それがこれからのマネジメントの源泉になっていくんだな、というふうに感じました。ありがとうございました。


対話型研修 成果レポート