「自分と組織のあるべき姿」を得て、限界を突破:株式会社PAL 代表取締役 辻有吾さん
依頼時の状態
- 得意でないこと、経験がないことでも経営者である自分が判断しなければならない
- 成長率が落ち、業績の限界が見えている
- 自分も社員もストレスやプレッシャーが大きい
現在の成果
- 参謀を得て実務に関わることが無くなり、得意なことに集中できる体制になった
- ガバナンスが成熟し、自浄作用がある組織に生まれ変わった
- 毎年20%オーバーの企業成長率を維持
- ストレスがなくなり毎日が穏やかになった
- 自分の心をコントロールしながら、冷静に考えられるようになった
オフィスブリエのプライベートコーチングは、とりわけ企業経営者や経営幹部などエグゼクティブクラスに支持されています。
お客様の中には、経営者仲間から尊敬を集め、アドバイスを求められるほどの方も少なくありません。
物流分野の生産性に改革を起こし続ける、株式会社PAL(パル)の代表取締役である辻有吾さんもそんなお一人。
起業を志されてから、強靭な意思で道を切り拓いて来られた辻さんが、なぜコーチングを必要とされているのかお聞きしました。
経営者こそ、コーチングを受けたほうがいい
ーまずは、どうしてコーチングを受けようと思われたのでしょうか?
僕が立ち上げから関わっているEOという経営者ネットワークで、木村先生に「経営者のためのセルフマネジメント」について講師をしていただいたのがきっかけでした。
それまで、私自身がコーチング受ける必要性は感じていなかったのですが、すぐに素晴らしいお人柄や知性をお持ちなのが解りましたし、何より、講演の内容から「今までコーチングに対するイメージを取り違えていたな」と気付いたんです。
経営者は本来コーチングを「受けた方が良い」人たちなのですが、その時の僕を含めて、コーチングを「身に付ける方が良い」と思い込んでいる人が多いんです。
僕も、話し方や聞き方というコミュニケーションスキルとして自分がコーチングをする側をイメージしていましたが、全く違うことが解り、そこに可能性があると感じました。
ー経営者がコーチングを身に付けるよりも、受けたほうが良いのはどうしてですか?
人間は「得意」で「経験がある」ことから、ものごとを判断するんです。(右図)
自分が得意で経験のあるところだけ判断できれば良いのですが、経営者は、例えば経営の岐路とか、社員の人生を決めるとか、様々な判断を迫られます。
そのときに責任感やプレッシャーから、不得意なことも、経験がないことも判断してしまいます。経験があって不得意と解っていることも、やれるはずだと思っているけど経験のないことも、経営課題として挙がってきたら、人に任せられないので自分で判断してしまうんです。
これは不自然だと思いませんか。
ー経営者として、判断せざるを得ない状況があるのではないでしょうか?
それは言い訳でしょ。ごめん、これはやったことがあるけど得意じゃない。って言えないだけですよ。経営者って、「得意じゃない」とは言いにくい環境を作られてしまうんですが、それを言い訳にしているだけです。そしてその環境にどっぷりとはまってしまっていることにさえ、もはや気付かなくなってしまっているんです。そんな人に仲間ができる訳ないですよね。
本当は、得意で経験のあることだけやらなければならないんですよ。残りは総じて、不得意かできないことなんですから。そこを自己認識する。その上で誰に任せるかが経営ですよね。
これを、経営者が最も解ってないんですよ。
つまり言い換えると、多くの経営者が、この4つのポートフォリオ全てをやり切ることを、経営だと思い込んでいるんです。経験が有ろうが無かろうが、全部得意だと思っているから、そういう経営者には参謀がいません。
木村先生のコーチングを受けると、ここがよく解ります。僕は参謀を得ることを選択しました。
ー自分の得意なこと、不得意なことを客観的に見る必要性を感じられたんですね。
そうです。そこが原点です。コーチングを受ければ自分の得手不得手が解るのではないか、と考えました。僕自身が会社の中で、何に集中したらパフォーマンスが上がるか、を解ろうとしたんです。
それ以外のことは社員たちに任せないといけない。できる人を集めなければならない。できる人に意見を聞かなければならない。できる人と相談して、進められる人物に出会えたら、その人に託さなければならない。以上ですよ、経営って。
よく創業者とか、立ち上げの社長は「最悪俺一人で何とかなる」と言ってしまうんですけど、それでは会社とは言わないですよね。組織にするということは、組織の人たちに何を任せるべきか、トップが解っていなければできません。
僕は、任せるなら自分の苦手なことを任せたほうがいいと思いますし、僕が得意なことだけに集中できる環境を作ったほうが会社にとって良いだろうなと考えました。
これに気付かない人は、一生組織化できない人でしょうね。
会社を良くしたいなら、まずは己を知ること。まずはしっかりと軸を持って、自己理解することから始めよう、と考えた訳です。
「自分と組織のあるべき姿」を得て、限界を突破
ーそんな思いで実際にコーチングお受けになって、どう変わりましたか?
まず仕事上の変化でいうと、僕が実務に関わることが無くなりましたね。全権任せました。
上層部や中堅層に権限委譲を進めれば、より組織化ができますし、会社としてバランスが取れます。その分、若い人にチャンスも増えますし、やりがいも出てきます。
任せるにあたって、以前の僕のように、勝手な判断で経営する体制を作るわけにはいきませんから、いかにして多面的に考察する組織になるか、会議体や決済ルールを変えながらガバナンスを作り、自浄作用がある組織に生まれ変わりました。
また、コーチングを受けてから3年経つんですけど、それまで成長率が落ちていたうちの会社が、毎年20%オーバーの成長率を維持できているという事実があります。
しかもそれは、優秀な社員の出現によってできたのではなくて、大半を既に居た社員たちで成し得ているんです。
個人としては、毎日が非常に穏やかです。
やはり不得意なこと、経験のないことでもやらなければならないというプレッシャーは、無意識にでも相当激しかったんだろうなと思います。それを得意な人がいた、だから任せよう。とやっていった結果、僕自身からそのストレスがなくなりました。
それに、きちっと自分の心をコントロールしながら、相手にどういう影響やインパクトを与えるべきなのかを冷静に考えられるようになったのが大きいですね。
振り返ると、社員にとっても以前の僕はストレスフルだったと思います。
今は感情的に怒るということがなくなり、目的をもって叱るようになりましたし、全然怒ってないですけど、あえて怒ってみることもできるようになりました。相手にどう思われてもいいから今は放置しておこう、といった対応もできるようになりました。
—ご自身だけでなく、周りの変化も大きかったということですね。
僕が実務をしなくなって、「将来の事業モデルを作っていくのは社長の仕事。今の事業モデルをしっかりドライブするのが役員や社員の仕事。」というふうに役割が明確になり、どうやってお互い成果を出し合うかを、自分たちで考えるようになりました。
自分自身のことだけではなく、気付きの中から組織体制を作ることもやりましたから。おかげで、今はバランスが取れている状態です。
僕の一番の欲求が何かというと、会社が業界や社会の問題解決をしながら、企業として大きくなっていくことなんです。つまり今、一番の喜びの状態をキープできている訳です。ということは、コーチングとの出会いから自己認識できた自分、ここからいかにブレないか。今、それが一番の課題です。
ー自分のあるべき姿を習慣化する、ということでしょうか。
あるべき姿に、コーチングを通して既になっているんですよ。なっているんですが、この姿が僕の中で土着していないんです。
今、自分自身が一番得意でテンションが上がることに集中していますから、僕にとって最もアグレッシブでエキサイティングな状態なんですね。
でも、ずっとワンマンで、経営者として独立独歩で始めて今までやってきているので、やっぱり成功体験や、注力すべきでない刺激的なことを思い出してしまう自分がいる訳です。
そうじゃなかったよねと。以前のやり方では限界が見えていたから、やり方を変えたんです。そうしたら限界を超えて、また成長が続いたんですね。
だから今、僕が心の置き方をキープして、この状態を維持するのが、組織にとっても僕にとっても正しいんです。
ーそれが、アグレッシブでエキサイティングな御社の未来にもつながっているということですね。
直結していると思っています。もし以前の状態に戻ったとき、社員に幸せがあるかと言ったら無いと思っていますし、この状態をキープすることで、社員にとって幸せの連続が起きると考えています。
僕がブレないためにも、木村先生にもいつまでもそのままで居てほしいと願っていますね。
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